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- 2017.06.09 Friday
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小さな女の子は大きなイスの上で夢を見ていました。
ある生き物との出会いを果たしていたのです。
ある生き物とは…、「サカナトリ」。
女の子の夢の中で、サカナトリは手の上に現れました。
透き通った身体は水でできているようで、手の上でプルプルとしています。
キレイな青色をしていて、サカナトリは海の一部なんだと女の子は思いました。
つぶらな瞳、小さなくちばし、プルプルとした身体…。
女の子は、サカナトリが大好きになりました。
しかし、もう夢から覚める時間です。
女の子は、夢から覚めるとペンを持ってサカナトリの絵を描きました。
忘れたくないと強く思ったからです。
描き上げた後、女の子は少しさみしく感じました。
そんなとき、彼女の絵を見たコックが聞きました。
「この生き物は一体何だい?」
「サカナトリよ。さっき夢の中で出会ったの」
「ふ〜む」
コックはその場を立ち去りました。
女の子は怪訝な顔をして、コックを見送りました。
少しの時間が経って、女の子の前にまたもコックが現れました。
「あら? コックさん」
「これをあげるよ」
コックさんが女の子に差し出したのは、おいしそうなクッキーでした。
そのクッキーには、女の子の描いた「サカナトリ」の絵が描かれていました。
「サカナトリ!」
「どうぞ、めしあがれ」
女の子は、サカナトリのクッキーを手に取って、ゆっくりと眺めてから口に入れました。
「コックさん、おいしいわ!」
女の子の顔には、満面の笑みが広がりました。
女の子の中でサカナトリはイキイキと泳ぎ続けています。